特定非営利活動法人オレンジハートリボン協会

児童養護施設支援

子どもたちと一緒につくりあげる世界最高の感動コンサート

ウーマンオーケストラ様と協働して、児童養護施設の子どもたちと一緒にコンサートをつくりあげます。楽器演奏だけではなく、衣装、照明、ヘアマイク、演出まで、子どもたちと一緒につくるコンサートです。数ヶ月、子どもたちと一緒になって話し合い練習して、ホールでのコンサート本番を迎えます。子どもたちが、音楽を通じてどのように成長したか?その答えがコンサートにあります。

児童養護施設の現状

こども家庭庁のデータ(2023年3月末時点)によると、全国の児童養護施設は607箇所、入所児童数は22,162人となっています。社会的養護の推進(里親委託やファミリーホームへの移行、施設の大規模化から小規模化への転換)が進んでいるため、施設の入所児童数は減少傾向にありますが、まだ2万人を超える子どもたちが児童養護施設で生活しています。

児童養護施設の入所理由は複雑化しており、入所理由で最も多いのは「親からの虐待」で、約半数を占めています。他、家族のアルコール・薬物依存などによる家庭機能の崩壊、経済的な困窮(貧困や失業)などで生活環境が劣悪になった場合、親の精神疾患や病気などにより安定した養育を提供できなくなった場合など、子どもが安全に生活できない状況に入所します。また、親による育児放棄(ネグレクト)や、子どもが親から逃れるために一時保護所を経由し、そのまま児童養護施設へ移行するケースもあります。

児童養護施設の子どもたちが抱える問題点

多く子どもたちに見られるのは自己肯定感の不足です。心に深い傷を負っている場合が多く、入所前の環境に起因する安定した大人との関わり不足と、集団の中での埋没感もあり、自己肯定感が育ちにくくなります。

将来や進路における影響

将来や進路における影響
家庭環境や一時保護期間中に学校に行けないなどの理由で、基礎的な学習内容が抜けている子どもが多くいます。また、施設を退所する年齢(原則18歳)が近づくと、経済的な背景や学習の遅れから、進学や就職において「どうせ自分には無理だ」と過小評価し、早い段階で諦めてしまう傾向が見られます。

自己肯定感の低下

虐待やネグレクトを経験した子どもたちは、無意識のうちに「自分が悪い子だから、親から愛されなかった」と自己を責め、深い心の傷を負っている場合が多くあります。これは、自己肯定感の最も深い部分を損ないます。また、集団生活では、どうしてもルールや全体行動が優先されやすく、個人の個性や才能に合わせた活動が制限されるため、「自分らしさ」を認めてもらえる機会や尊重される経験が不足し、「自分は自分らしくこれでいい」と思える自己肯定感が育ちにくくなります。児童養護施設に居ることを隠したり、そう見られることに強い恥ずかしさや劣等感を感じることも、社会的な自己肯定感を低くする原因となります。

愛着形成が困難

安定した大人との関わりが不足していたため、基本的な安心感や信頼感が築けず、大人や社会に対して不信感を持ちやすくなります。自己肯定感の土台となる「自分は受け入れられる価値がある」という感覚が阻害されがちになります。また仕組み上、すべての子どもに一対一で深い愛情や承認を注ぐ時間が不足がちになります。結果、「自分は特別に大切にされている」という感覚を得る機会が少なくなります。

音楽を通じて自己肯定感をアップ!未来ある子どもたちの夢を叶える

児童養護施設のこどもたちは、比較的自己肯定感が低いと言われています。自立意欲や将来に対する目標や希望を持つことが苦手なこどもも多いと言われています。自己肯定感をアップするための要素が、世界最高の感動コンサートには詰まっています。

小さな成功体験を積み重ねる

演奏は一気にうまくはなりません。メイクだって同じです。衣装制作や演出だって一つ一つの積み重ねが重要です。コンサートに向けては、小さな目標を設定して、それを達成していきます。「できた」という成功体験とその感覚を積み重ねていきます。

安心できる人間関係を築く

演奏など、マンツーマンでのレッスンが基本となります。一人一人のこどもに向き合い、一つの目標に向かって時間を過ごす過程で、施設の先生とは異なる人間関係ができていきます。私たちもこどもたちを信頼してコンサートに臨みます。子どもたちも私たちを信頼してくれるようになり、少しづつ心を開き安心できる人間関係が構築していきます。

他人と比較しない

子どもたちは一人一人の役割が異なります。また、初めての演奏や体験に、人と比べる要素はありません。前回よりも今回と、自分の成長を感じていくことができるようになり、それは確実に自身につながります。

好きなことや楽しいことの時間を作る

それぞれの役割は、子どもたちが興味があるものを割り当てます。好きなことなら頑張れるし、練習も楽しい時間になるはずです。また、「よく頑張ったね」という励ましの言葉が、

ポジティブに考える

子どもたちに対して、私たちはネガティブな言葉を使いません。コンサートは前に向かって進んで出来上がりものなので、失敗という言葉もありません。「よく頑張ったね」「大丈夫、きっとうまくいく」という励ましの言葉が、こどもたちをボシティブにしていきます。

本物の感動がここにある

子どもたちにとって、大勢の前で披露するコンサートはとても緊張します。でも大丈夫!今まで一緒に練習してきた仲間と教えてくれた先生たちも一緒です。ホールでもコンサートは、子どもたちにとってとても素晴らしい体験であり、貴重な財産になるはずです。数ヶ月前から成長したからこそ、感動がここにあります。

児童養護施設の職員さんの声

演奏は一気にうまくはなりません。メイクだって同じです。衣装制作や演出だって一つ一つの積み重ねが重要です。コンサートに向けては、小さな目標を設定して、それを達成していきます。「できた」という成功体験とその感覚を積み重ねていきます。
入所してから半年間お話しをしてくれなかった子が、 初めて話しかけて来てくれました。
音楽教室の話題がきっかけでお話しする機会が増えました。
ずっと俯いていて、 学校に行くのもあまり楽しく無さそうだった子が楽しく音楽の話をしてくれました。音楽の力って本当に凄いです。
音楽教室の話題がきっかけでお話しする機会が増えました。
学校でも施設でも大人と1対1で話す機会の無い子どもたちにとって、音楽の先生を独り占め出来る時間は本当にかけがえの無い時間だったと思います。

こどもたちの声

今まで人から応援されたことがないから、ステージから歓声を浴びて感動した!快感だった。
楽器を頑張ってたらお父さんに会えるかもしれない、 聞きに来てくれるかもしれない、と思って一生懸命演奏した。
学校の先生にお話して、 学校でも演奏を披露しました。自信になりました。
大勢の前で演奏することができて、拍手を浴びて、頑張ってきたことで自信がついた。学校の勉強も頑張れるようになった。

スタッフの声

承認欲求が強く 「見てみて一」といつも注目されたがっていた子供がレッスン開始後には言わなくなった。
ずっと下を向いて髪の毛で顔を隠していた子供が、 3回目のレッスンで笑顔で話かけてくれた。
ヘアメイクを嫌がっていた子がコンサー ト当日は 「ヘアメイクやってみたい」と自発的になった。

6ヶ月の準備を経て世界最高の感動コンサートが開催

児童養護施設の子どもたちと作り上げていく世界最高の感動コンサートですが、打ち合わせから練習、そして当日まで約6ヶ月の期間を有します。以下、一つの例としてスケジュールやこどもたちの役割を紹介します。。

スケジュール(例)

6ヶ月前 一緒にコンサートをつくる児童養護施設を決定、先生方と打ち合わせ、スケジュール及びコンサート会場を決定
5ヶ月前 音楽を習いたいこども、コンサートにしたい子どもと面談
4ヶ月前 レッスンの開始(楽器や役割によって異なるが、2週間に1回程度、合計4〜6回のレッスン)
3ヶ月前 レッスンの開始(楽器や役割によって異なるが、2週間に1回程度、合計4〜6回のレッスン)
2ヶ月前 レッスンの開始(楽器や役割によって異なるが、2週間に1回程度、合計4〜6回のレッスン)
1ヶ月前 お披露目としてミニコンサート開催(児童養護施設にて)、練習の成果を確認
コンサート当日 世界最高の感動コンサート開催(一般のお客様も入れてホールにて)

子どもたちの役割(例)

ヴァイオリン、フルート、ピアノ、パーカッション、歌、ダンス、衣装、ヘアメイク、照明、演出、他

和奏女子楽団ウーマンオーケストラ

女性だけで構成された和洋楽オーケストラです。「生演奏を身近に」をコンセプトに、クラシックから邦楽、ジャズ、ポップスまで幅広いジャンルを手がけています。登録アーティストは100名ほどおり、弦楽器や管楽器、和楽器、さらにはダンサーやパフォーマーも在籍しています。

世界一の感動をあなたに

ウーマンオーケストラの理念は「世界一の感動をあなたへ」です。そして、3つのミッションを掲げています。
1つ目は未来ある子供たちの夢を叶えること。
2つ目は女性音楽家が活躍する未来を創ること。
3つ目はオーケストラを通じて日本文化を世界に発信することです。

「生音初めて聞きました!感動しました!」ウーマンオーケストラ代表の阿部志織が高校時代に路上ライブをしていた時に言われた言葉です。日本において 「生演奏」というものが身近では無い事を目の当たりにした瞬間でした。その頃からコンサートホールのみならず、いつでもどこでも会いに行って生演奏の魅力を伝える活動を15年以上しています。一方で、 音楽大学を卒業した女性音楽家は結婚出産後に離職してしまうという懸念点から、オーケストラヘの就職率が少なかったり、 復帰後に活動の場が限られてしまったり、という現実も知りました。生演奏が身近では無い聞き手と、 活躍の場が欲しい女性音楽家を繋ぐ架け橋となるべく、2015年にウーマンオーケストは誕生しました。

→和奏女子楽団ウーマンオーケストラ公式WEBサイト(http://el-majesta.com)

こどもたちの成長と感動は人生最高の宝物

ウーマンオーケストラ代表 阿部志織さんからメッセージです。ただいま、準備しております。

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